日本最古の湯、道後温泉の魔力

「道後温泉本館」の木造三層楼の建物は、まさに日本の温泉文化のシンボルだ。 夕闇が迫り、振鷺閣(しんろかく)の赤いガラス窓に灯りがともると、その姿は『千と千尋の神隠し』の油屋を彷彿とさせる幻想的な雰囲気を纏う。 明治の文豪・夏目漱石も愛した「神の湯」に浸かれば、三千年の歴史が身体の芯まで染み渡るようだ。 朝6時の刻太鼓の音で目覚める贅沢は、ここだけの特権である。

Magical twilight view of Dogo Onsen Honkan
湯婆婆が出てきそうな、夜の道後温泉本館。レトロとファンタジーが交錯する。

海を駆ける、しまなみ海道

愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」は、世界中のサイクリストが憧れる聖地だ。 眼下に広がる瀬戸内海の多島美、頬を撫でる潮風、そして海の上を滑走するような浮遊感。 自動車では味わえない、五感をフルに使った旅がここにある。 途中、伯方島の塩ラーメンや、大三島の海鮮丼など、島グルメを堪能しながらペダルを漕ぐのもまた一興だ。

Cycling on Shimanami Kaido bridge
空と海の間を走り抜ける。サイクリストだけが見られる絶景のパノラマ。

太陽と潮風の恵み、愛媛みかん

愛媛県は、「柑橘ソムリエ」がいるほどのみかん王国だ。 瀬戸内の温暖な気候と、海からの潮風、そして段々畑に降り注ぐ太陽の光。 「3つの太陽」を浴びて育ったみかんは、濃厚な甘みと爽やかな酸味のバランスが絶妙だ。 特に高級品種「紅まどんな」のゼリーのような食感は、果物の常識を覆す。 みかん色の風景は、見ているだけで心を明るく元気にしてくれる。

Ripe mandarin oranges overlooking the sea
段々畑から望む瀬戸内海。青い海とオレンジ色のコントラストは、愛媛の原風景。