日本最古の湯、道後温泉
「道後温泉本館」の木造三層楼の建物は、まさに日本の温泉文化のシンボルだ。 『千と千尋の神隠し』のモデルの一つとも言われ、その重厚な佇まいは圧倒的な存在感を放つ。 夏目漱石の『坊っちゃん』にも登場するように、ここは古くから文人墨客に愛されてきた。 朝6時の太鼓の音(刻太鼓)と共に一番風呂に浸かり、湯上がりに団子を食べる。 そんな粋な湯治体験が、現代でも味わえる。
海の上を走る、しまなみ海道
愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ全長約60kmの自動車専用道路「しまなみ海道」は、自転車歩行者道が併設されている世界でも珍しい橋だ。 多島美を誇る瀬戸内海の上を、自転車で風を切って走る爽快感は他では味わえない。 途中にはレモンの産地・生口島や、村上海賊の拠点・大島などがあり、島ごとの個性豊かな文化やグルメも楽しめる。
文学と俳句のまち、松山
松山は、正岡子規や高浜虚子を生んだ「俳句の都」でもある。 街中には「俳句ポスト」が設置され、誰でも気軽に一句詠んで投函できる。 松山城の城下町として栄えたこの街は、路面電車が走り、どこかゆったりとした時間が流れている。 「ことば」を大切にする文化が根付いているからこそ、旅人の感性も自然と研ぎ澄まされていくのかもしれない。