夜を彩る屋台文化
福岡の夜は、屋台なくしては語れない。 天神、中洲、長浜。夕暮れとともに街角に現れる小さな「店」は、世界でも稀有な食の社交場だ。 定番の博多ラーメンはもちろん、おでん、焼き鳥、明太子焼き、さらにはフレンチやカクテルまで。 肩を寄せ合い、店主や隣の客と杯を交わす。 そこには、袖振り合うも多生の縁という日本的な温かさが凝縮されている。
千年の時を超える太宰府天満宮
菅原道真公を祀る全国天満宮の総本宮、太宰府天満宮。 境内には約6000本の梅の木が植えられ、毎年春には芳しい香りで参拝者を迎える。 参道で焼きたての「梅ヶ枝餅」を頬張りながら歩くのが定番のスタイルだ。 また、近くにある九州国立博物館は、日本とアジアの文化交流史をテーマにした国内最大級の規模を誇る。 「令和」の元号の典拠となった坂本八幡宮も近く、歴史ロマンに浸れるエリアだ。
博多っ子の誇り、山笠とどんたく
「オイサ、オイサ」の掛け声とともに、重さ1トンもの舁き山笠(かきやまかさ)が街を疾走する。 7月の「博多祇園山笠」は、男たちの熱気がほとばしる勇壮な祭りだ。 一方、5月の「博多どんたく」は、しゃもじを叩いてパレードする市民総参加の祝祭。 静と動、伝統と開放感。 二つの祭りは、福岡の人々のバイタリティそのものだ。