天下の名湯、草津

「恋の病以外なら何でも治す」 そう謳われるほど強力な効能を持つ草津温泉。 温泉街の中心にある「湯畑」からは、毎分4000リットルもの湯が湧き出し、もうもうたる湯煙を上げている。 源泉の温度を下げるための伝統技法「湯もみ」は、草津ならではのリズミカルな唄とともに今も受け継がれている。

Kusatsu Onsen Yubatake
湯煙が立ち上る草津温泉のシンボル、湯畑。

近代化を紡いだ赤レンガ

明治5年、日本の近代化を推し進めるために設立された富岡製糸場。 西洋の技術を取り入れた巨大な赤レンガの工場は、当時の日本人の「追いつき追い越せ」という気概を今に伝えている。 ここで生産された高品質な生糸は世界へと輸出され、日本の産業発展の礎となった。

Tomioka Silk Mill
世界遺産・富岡製糸場の東置繭所。

石段に刻まれた歴史、伊香保

榛名山の中腹に位置する伊香保温泉は、365段の石段街で知られる。 石段の両脇には、温泉饅頭発祥の店や土産物屋、射的場などが並び、昭和のレトロな雰囲気が漂う。 浴衣姿でカランコロンと下駄を鳴らしながら歩けば、古き良き温泉情緒に浸ることができる。

Ikaho Onsen Stone Steps
夕暮れの情緒あふれる、伊香保温泉の石段街。

上州の風と小麦文化

「空っ風」と呼ばれる強い季節風が吹く群馬は、古くから小麦の生産が盛んだ。 日本三大うどんの一つ「水沢うどん」や、幅広の麺を野菜と煮込む「おっきりこみ」。 そして、甘じょっぱい味噌ダレを塗って焼いた「焼きまんじゅう」。 素朴ながらも味わい深い粉もの文化は、訪れる人の小腹と心を満たしてくれる。