ハイカラ神戸の面影

1868年の開港以来、西洋文化の入り口として発展してきた神戸。 北野の異人館街を歩けば、かつての外国人たちの優雅な暮らしぶりが目に浮かぶ。 旧居留地の重厚な石造りのビル群は、現在では高級ブティックやカフェとして新たな息吹を吹き込まれている。 「神戸ビーフ」や洋菓子、パンといった食文化も、この街の開放的な気風が育てたものだ。 山と海に挟まれたコンパクトな街には、洗練された都市の美学がある。

Kobe Port Tower
港町神戸のシンボル、ポートタワーとメリケンパーク。

世界が認めた白亜の美

日本で初めて世界遺産に登録された姫路城。 「白鷺城」の愛称で親しまれるその姿は、木造建築の最高傑作と称される。 大天守と小天守が渡り櫓で結ばれた連立式天守は、見る方角によって千変万化の表情を見せる。 白い漆喰総塗籠造りの壁は、戦への備えでありながら、平和な時代の美意識をも象徴しているようだ。 桜の季節、白い城壁と薄紅色の花びらのコントラストは、言葉を失うほどの絶景となる。

Himeji Castle
青空に映える、白鷺城の優美な姿。

国生みの島、淡路

日本神話において、最初に生まれたとされる淡路島。 明石海峡大橋を渡れば、そこは花と美食のパラダイスだ。 温暖な気候が育む玉ねぎは驚くほど甘く、近海で獲れる鯛やタコは身が引き締まっている。 近年では、海を望む絶景カフェやグランピング施設が続々とオープンし、関西屈指のリゾートアイランドとして進化を続けている。 夕暮れ時、瀬戸内海に沈む夕日は、神話の時代と変わらぬ美しさで旅人を包み込む。