平泉、地上に現れた浄土
平安時代末期、奥州藤原氏によって築かれた黄金の都、平泉。 その中心にある中尊寺金色堂は、極楽浄土をこの世に具現化しようとした願いの結晶だ。 金箔と螺鈿(らでん)で装飾されたお堂は、雪景色の中でひときわ神秘的な輝きを放つ。 戦のない平和な国を夢見た人々の祈りは、千年の時を超えて今も静かに息づいている。
宮古、海の向こうの浄土
「さながら極楽浄土のごとし」 その美しさから名付けられた浄土ヶ浜。 鋭く尖った白い流紋岩が静かな海に林立し、松の緑が彩りを添える。 朝霧が立ち込める刻、海と空の境界が溶け合い、まるで別世界に迷い込んだかのような錯覚を覚える。
南部鉄器、用の美
盛岡の冬は厳しい。だからこそ、温かいお茶の時間は何よりの贅沢だ。 伝統工芸品「南部鉄器」の鉄瓶は、使い込むほどに風合いが増し、お茶の味をまろやかにする。 質実剛健な鉄の肌触りと、モダンなデザイン。 それは、日々の暮らしを少しだけ豊かにしてくれる「一生モノ」の道具だ。