うどん県、その熱き魂

香川県民にとって、うどんは主食であり、おやつであり、文化そのものだ。 県内には600軒以上のうどん店がひしめき合い、朝から行列ができる店も珍しくない。 セルフスタイルで麺を湯がき、ネギや天ぷらを乗せて、いりこ出汁をかける。 「コシ」と呼ばれる独特の弾力と、のど越しの良さは、一度食べると忘れられない。 一杯数百円で味わえる、世界最高峰のファストフードだ。

Sanuki Udon
シンプルだからこそごまかしが効かない、讃岐うどん。

現代アートの聖地、瀬戸内の島々

直島、豊島、犬島。かつて過疎化が進んでいた瀬戸内の島々は、今や世界中のアートファンが憧れる聖地へと変貌を遂げた。 安藤忠雄設計の地中美術館や、草間彌生の「赤かぼちゃ」など、風景に溶け込むようにアート作品が点在する。 古い民家を改装した「家プロジェクト」では、地域の人々の暮らしと現代アートが静かに対話している。 船に乗って島を巡る時間は、まさに心の旅だ。

Naoshima Art
青い海と空に映える、鮮やかなアート。

幸福の黄色いお守り、こんぴらさん

「こんぴらさん」の愛称で親しまれる金刀比羅宮。 御本宮までは785段、奥社までは1368段という長い石段が続く。 息を切らしながら登りきると、讃岐平野を一望する絶景が待っている。 古くから「一生に一度はこんぴら参り」と言われ、海上安全の守り神として信仰を集めてきた。 参道の賑わいと、境内の静寂。 そのコントラストもまた、参拝の醍醐味だ。