松島や、ああ松島や

松尾芭蕉がその美しさに言葉を失ったという松島。 湾内に浮かぶ大小260余りの島々は、まるで盆栽のように整った美しさを見せる。 朝日が昇る刻、あるいは月が水面を照らす夜。 静寂の中に浮かび上がるシルエットは、まさに「日本の美」の原点と言えるだろう。

Matsushima Bay
日本三景、松島の多島海。

伊達の粋、独眼竜の野望

仙台藩祖・伊達政宗。 彼の派手で洗練された服装や振る舞いは「伊達者(だてもの)」の語源となった。 青葉城趾にある騎馬像は、今も天下を見据えるように街を見下ろしている。 彼の美意識は、仙台の街並みや食文化、そして人々の気質に今も息づいている。

Date Masamune Statue
三日月の前立が輝く、伊達政宗騎馬像。

星に願いを、仙台七夕まつり

毎年8月、仙台の街は極彩色の和紙に包まれる。 伊達政宗公の時代から続く「仙台七夕まつり」だ。 商店街を埋め尽くす巨大な吹き流しは、風に揺れるたびにカサカサと涼やかな音を立てる。 それは、夏の暑さを忘れさせてくれる、杜の都の風物詩である。

Sendai Tanabata Festival
街を彩る、豪華絢爛な七夕飾り。

杜の都の食卓

仙台といえば牛タン。戦後の復興期、余った部位を有効活用しようと生まれたのが始まりだ。 厚切りのタンを炭火で香ばしく焼き上げ、麦飯とテールスープでいただく。 その、シンプルながら力強い味わいは、訪れる人々の活力となる。 また、ずんだ餅や笹かまぼこなど、独自に進化した食文化も楽しい。