石畳と坂道、異国情緒の街
長崎は、坂の街だ。 石畳の坂道を登りきると、眼下にはすり鉢状に広がる街と長崎港が一望できる。 鎖国時代、唯一の貿易港として栄えたこの街には、西洋や中国の文化が色濃く残る。 大浦天主堂のステンドグラス、グラバー園の洋館、そして新地中華街の賑わい。 和華蘭(わからん)文化と呼ばれる独自のミックスカルチャーは、街の至る所で感じることができる。
海に浮かぶ祈りの島、五島列島
長崎の西に浮かぶ五島列島には、かつて弾圧を逃れたキリシタンたちが密かに信仰を守り続けた集落が点在する。 世界遺産にも登録された教会群は、質素ながらも信徒たちの強い想いが込められている。 透き通るような海と白い砂浜、そして新鮮な海の幸。 祈りの歴史と圧倒的な自然美が共存する島々は、訪れる人の心を洗うような静けさに満ちている。
平和への誓いと夜景の輝き
長崎を語る上で、原爆の記憶は避けて通れない。 平和公園の平和祈念像は、天を指す右手で原爆の脅威を、水平に伸ばした左手で平和を表現している。 悲劇を乗り越え、復興を遂げた街は、今や「世界新三大夜景」の一つとして輝きを放つ。 稲佐山から見下ろす1000万ドルの夜景は、平和であることの尊さと、人々の営みの美しさを静かに語りかけてくる。