天平の祈り、大仏さま

東大寺の大仏殿は、世界最大級の木造建築だ。 見上げるほど巨大な盧舎那仏(大仏さま)は、疫病や災害に苦しむ人々を救うために建立された。 創建から1200年以上、幾多の戦火を乗り越え、静かに人々を見守り続けてきたその眼差し。 堂内に差し込む柔らかな光に包まれたその姿は、圧倒的な存在感とともに、深い安らぎを私たちに与えてくれる。

Majestic Great Buddha of Todaiji Temple
時空を超えて祈りを受け止める、東大寺の盧舎那仏。

神の使い、鹿との共生

奈良公園を歩けば、当たり前のように鹿が寄ってくる。 彼らは春日大社の神使いとして、古くから大切に保護されてきた野生動物だ。 春には満開の桜の下で、花びらを浴びながら佇む幻想的な姿を見ることができる。 人と動物がこれほど自然に、そして平和に共生している都市は、世界中を探しても稀だろう。 ここには、おとぎ話のような優しい時間が流れている。

Deer standing under cherry blossom trees in Nara Park
桜吹雪の中で佇む神の使い。春の奈良公園は、夢のように美しい。

里山の恵み、柿の葉寿司

海のない奈良県で生まれた知恵の結晶、柿の葉寿司。 塩漬けにした鯖や鮭を酢飯に乗せ、防腐作用のある柿の葉で包んだ伝統的な保存食だ。 吉野杉の木箱に詰められ、熟成されることで生まれる芳醇な香りと、まろやかな旨味。 古都の風景を想いながら頬張れば、素朴ながらも深い味わいが口いっぱいに広がる。

Traditional Kakinoha-sushi being served
色とりどりの柿の葉に包まれた、先人の知恵と美味。