雪解け水が生む奇跡

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」 川端康成の名作の通り、新潟の冬は深く、白い。 しかし、この豪雪こそが新潟の豊かさの源泉だ。 ミネラル豊富な雪解け水は、最高級のコシヒカリを育て、淡麗辛口の日本酒を醸す。 越後湯沢駅の「ぽんしゅ館」で味わう利き酒は、まさに雪国の恵みの結晶だ。

Rice Terraces in Niigata
四季折々の表情を見せる星峠の棚田。

里山×現代アート

過疎化が進む豪雪地帯を、アートの力で再生させる。 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、そんな壮大な実験の場だ。 草間彌生の花、ジェームズ・タレルの光の館。 棚田や廃校、民家そのものがアート作品となり、訪れる人を里山の深部へと誘う。 ここでは、農業と芸術が対等な関係で共存している。

Echigo-Tsumari Art
自然の中に溶け込む現代アート作品。

黄金の島、佐渡

かつて日本最大の金産出量を誇った佐渡金山。 江戸幕府の財政を支え、明治の近代化に貢献したその歴史は、今も坑道跡に色濃く残る。 しかし、佐渡の魅力は金だけではない。 流刑地としての歴史が育んだ、貴族文化と武家文化、そして町人文化が混ざり合った独自の芸能「能」。 たらい舟に揺られながら、時を超えた島旅へ。