琉球王国の栄華と精神文化

かつてこの島には「琉球王国」という独立した国があった。 中国や東南アジアとの交易で栄え、独自の文化を育んできたその歴史は、今も首里城や各地のグスク(城跡)に刻まれている。 朱い城壁や守礼門は、沖縄のシンボルだ。 また、先祖を敬う「ウートートー」の習慣や、助け合いの「ゆいまーる」の精神は、現代のウチナーンチュ(沖縄の人々)の生活の中にも深く根付いている。

Shuri Castle
琉球文化の象徴、首里城の鮮やかな朱色。

世界に誇る「美ら海」の輝き

沖縄の海は、見る者の心を無条件に解放する。 「美ら海(ちゅらうみ)」と呼ばれるその海は、場所や時間によってエメラルドグリーンからコバルトブルーへと表情を変える。 北部にある「沖縄美ら海水族館」では、巨大な水槽の中をジンベエザメやマンタが悠々と泳ぎ、まるで海の中にいるような感覚に陥る。 離島に足を延ばせば、さらに透明度を増した海と、手つかずのビーチが待っている。

Okinawa Beach
白い砂浜とクリスタルブルーの海。

オジィとオバァの長寿ごはんと音楽

沖縄は長寿の島としても知られる。 その秘訣は「医食同源」の考えに基づく伝統的な食文化にある。 豚肉、豆腐、海藻、そしてゴーヤーなどの島野菜。 これらをバランスよくチャンプルー(炒め物)にして食べるのが沖縄流だ。 夜になれば、どこからともなく三線(さんしん)の音が聞こえてくる。 泡盛を片手に音楽に合わせて踊り出せば(カチャーシー)、悩み事など波の彼方に消えていく。