天下の台所、食い倒れの哲学
「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」。 この言葉は伊達ではない。 たこ焼き、お好み焼き、串カツといった「粉もん」は、安くて美味い(安ウマ)の代名詞だが、それだけではない。 出汁文化に裏打ちされたうどん、新鮮なふぐ料理、そして割烹。 大阪の食には、合理性と快楽主義、そして何より「客を喜ばせたい」というサービス精神が詰まっている。
笑いは最良のコミュニケーション
大阪人にとって「面白い」は最高の褒め言葉だ。 漫才、落語、新喜劇。 古くから笑いの芸能が栄えたこの街では、日常会話にもボケとツッコミのリズムがある。 商店街のおばちゃんと値切り交渉をするのも、一種のエンターテインメント。 肩書きや建前を取り払い、本音でぶつかり合って笑い飛ばす。 その屈託のない明るさが、訪れる人の心の壁を取り払ってくれる。
太閤さんの夢と古代の謎
大阪城は、豊臣秀吉が築いた天下統一のシンボルだ。 幾度もの焼失を経て再建された天守閣は、今も大阪の街を見守っている。 一方で、堺市には世界最大級の墳墓、仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)がある。 ピラミッドよりも巨大なこの鍵穴型の古墳は、古代日本の権力の大きさを物語る世界遺産だ。 中世と古代、二つの巨大なモニュメントが、大阪の歴史の厚みを証明している。