世界を魅了した有田と伊万里
400年前、日本で初めて磁器が焼かれた場所、有田。 白く透き通るような磁肌に、鮮やかな赤や藍の絵付けが施された「有田焼」は、かつてオランダ東インド会社を通じてヨーロッパへ渡り、王侯貴族たちを熱狂させた。 今も窯元の煙突から煙が立ち昇る町並みを歩けば、職人たちの息遣いが聞こえてくるようだ。 毎年ゴールデンウィークに開催される陶器市には、全国から器好きが集まり、お気に入りの一枚を探し求めて賑わう。
土の温もり、唐津焼
華やかな有田焼に対し、唐津焼は「土」の素朴な味わいが魅力だ。 「一楽二萩三唐津」と称され、茶人たちに愛されてきたその器は、使い込むほどに艶を増し、表情を変えていく。 海と山に囲まれた唐津の地には、多くの陶芸家がアトリエを構え、独自の表現を追求している。 日本三大松原の一つ「虹の松原」や、呼子のイカなど、自然と食の恵みも豊かだ。
古代ロマンと美肌の湯
佐賀平野の真ん中に突如現れる巨大な遺跡、吉野ヶ里歴史公園。 弥生時代の環壕集落が復元され、当時の人々の暮らしや高い技術力を目の当たりにすることができる。 卑弥呼の時代に思いを馳せた後は、嬉野温泉でリラックス。 とろりとした独特の泉質は「日本三大美肌の湯」の一つに数えられ、湯上がりには肌がすべすべになると評判だ。 名物の温泉湯豆腐も、温泉水で豆腐がとろける絶品グルメである。