徳川の威光、日光東照宮
「日光を見ずして結構と言うなかれ」。 杉並木の参道を抜けた先に現れるのは、圧倒的な「美」の凝縮だ。 極彩色の陽明門には、一日中見ていても飽きないことから「日暮らしの門」の名がある。 500以上の彫刻一つ一つに、平和な世が永く続くようにという徳川家康の願いが込められている。 その煌びやかさは、単なる権力の誇示ではなく、信仰の深さそのものだ。
夢幻の紫、大藤の奇跡
春の夜、あしかがフラワーパークは異世界へと変貌する。 樹齢160年を超える大藤から、無数の花房がシャワーのように降り注ぐ様は、まさに圧巻。 ライトアップされた紫の花房が水鏡に映り込む光景は、映画『アバター』の魂の木にも例えられる。 その幻想的な美しさは、CNNの「世界の夢の旅行先」にも選ばれたほどだ。
民藝の心、益子焼
「用の美」を追求した民藝運動の拠点、益子。 濱田庄司をはじめとする陶芸家たちが愛したこの地には、今も数多くの窯元が軒を連ねる。 益子焼の特徴は、ぼってりとした厚みと、素朴な土の風合い。 手に持った瞬間に伝わる温かさは、日々の暮らしに安らぎを与えてくれる。 春秋の陶器市には、その温もりを求めて全国から器好きが集まる。