奇跡の芸術、鳥取砂丘
東西16km、南北2.4kmに広がる鳥取砂丘。 一見、不毛な砂漠に見えるが、ここは風と砂が織りなす「生きた美術館」だ。 早朝、まだ誰も足を踏み入れていない砂丘には、風紋(ふうもん)と呼ばれる美しい波模様が現れる。 「馬の背」と呼ばれる小高い丘を登りきると、目の前には真っ青な日本海が広がる。 砂の黄色、海の青、空の碧。 シンプルな色彩の世界だからこそ、地球の息吹をダイレクトに感じることができる。
まんが王国と妖怪の街
鳥取県は「まんが王国」としても知られる。 『名探偵コナン』の作者・青山剛昌氏や、『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる氏など、世界的な漫画家を輩出しているからだ。 境港市の「水木しげるロード」では、170体以上の妖怪ブロンズ像が出迎えてくれる。 夜になるとライトアップされ、本当に妖怪が出てきそうな怪しい雰囲気に。 ポップカルチャーと地域の伝統が見事に融合した、ユニークな観光地だ。
神々が宿る山、大山
「西の富士、東の筑波」と称される名峰・大山(だいせん)。 見る方角によってその姿は大きく変わる。 米子側からは優美な富士山型に見えるが、北壁側からは荒々しい断崖絶壁が露出する。 かつては修験道の聖地として入山が厳しく制限されていたため、西日本最大級のブナの原生林がそのまま残された。 新緑、紅葉、そして雪化粧。 四季折々の山の表情は、訪れる人に畏敬の念を抱かせる。