天空の宗教都市、高野山
標高800mの山上盆地に広がる高野山。 1200年前、弘法大師空海が開いたこの真言密教の聖地は、今も117の寺院が密集する宗教都市だ。 樹齢数百年の杉並木が続く奥之院への道は、この世とあの世の境界線のように静寂に包まれている。 宿坊に泊まり、朝のお勤めに参加し、精進料理をいただく。 デジタルデトックスという言葉では安っぽく感じるほど、ここでの体験は精神の深淵に触れる。
祈りの道、熊野古道
熊野古道は、単なる登山道ではない。 平安時代から「蟻の熊野詣」と称されるほど多くの人々が、救いを求めて歩いた巡礼の道だ。 苔むした石畳、木漏れ日、そして時折現れる王子社。 苦しい道のりの先にある熊野那智大社と、落差日本一の那智の滝を目にした時、旅人は生まれ変わり(蘇り)を実感する。 自然崇拝の原点がここにある。
パンダと温泉の楽園
和歌山県は、日本一のパンダ王国でもある。 白浜のアドベンチャーワールドでは、ジャイアントパンダの大家族がのんびりと暮らしており、その繁殖実績は世界でもトップクラスだ。 また、白浜温泉は日本三古湯の一つ。 コバルトブルーの海を見下ろす露天風呂に浸かれば、巡礼の疲れも吹き飛ぶだろう。 癒しと笑顔が同居する、極上のリゾートだ。