維新胎動の地、萩
萩は、ただの古い町ではない。日本が近代国家へと生まれ変わる「エンジン」となった場所だ。 松下村塾などの史跡が点在し、白壁の塀から夏みかんが黄色い実をのぞかせる風景は、当時のまま。 高杉晋作や伊藤博文ら若き志士たちが駆け抜けた路地を歩くと、彼らの熱気と焦燥感が伝わってくるようだ。 世界遺産にも登録されたこの町は、歴史好きにはたまらない聖地である。
奇跡の絶景、角島大橋と元乃隅神社
山口県の海岸線は、驚くほど美しい。 特に角島大橋は、エメラルドグリーンの海の上を真っ直ぐに伸びる姿が「死ぬまでに行きたい世界の絶景」にも選ばれた。 車で渡れば、まるで海の上を飛んでいるような爽快感を味わえる。 また、元乃隅神社の123基の赤い鳥居が青い海に向かって連なる光景も圧巻だ。 自然の青と人工の赤のコントラストは、強烈な美しさで訪れる人を魅了する。
歴史が育んだ「ふく」の文化
下関では、ふぐのことを「ふく(福)」と呼ぶ。 伊藤博文が下関でふぐ食を解禁して以来、この地は日本一のふぐ集積地となった。 唐戸市場では、新鮮な海の幸が所狭しと並び、週末には寿司バトルが開催されるほどの賑わいを見せる。 また、熱した瓦の上で茶そばを焼く「瓦そば」も、西南戦争の兵士たちが瓦で肉を焼いたという逸話に由来する名物料理だ。